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東光院 萩の寺

本日は大阪府豊中市にある東光院 萩の寺についてお話いたします。

東光院 萩の寺とは?

東光院 萩の寺は735年行基によって開かれた曹洞宗の寺院です。元は大坂豊崎の里(摂津国西成郡豊崎村下三番、現在の北区中津)にあり、境内に萩が多くあったことから、通称「萩の寺」として親しまれ、「南の四天王寺、北の東光院」と並び称された格式のあるお寺です。

1914年(大正3年)阪急電車敷設によって、現在の場所に移転しました。9月の秋の彼岸の頃には、名前のごとく色とりどりの萩の花が咲き誇ります。残念ながら訪問したのが遅かったため、花は見ることができませんでした・・。

徳川家・豊臣家とこちらの萩の寺と関係があると聞き、歴史好きな私は興味津々でお邪魔してまいりました。萩の寺の見どころをご紹介していきます!

こより十一面観音像

こより十一面観音像は、新西国第十二番札所の御本尊として本堂に祀られています。こよりとは何かというと、1984年(昭和59年)に、新西国霊場御本尊の秘仏十一面観音立像を開扉し修理に出したところ、乾漆が欠けた部分から、こよりで編んだ衣状のものが現れたそうです。詳しく調べると、頭部から足元まですっぽりとこよりによって編まれた衣服をまとっていて、その上から漆と金箔が塗られていたことが判明しました。

こより十一面観音像の歴史は萩の寺のホームページに詳しく載っています。以下に抜粋させていただきます。

南北朝時代、建武の中興(1333年)を成し遂げながら足利尊氏の謀叛で吉野に追われ、南朝を開いたあと悲運の生涯を閉じた後醍醐天皇(1288〜1339年)の菩提を弔うため、南朝の女官たちが帝を偲んで法華経八巻を写経し、その紙をこよりにして衣に編み、この観世音菩薩像にお着せしたといわれています。

安永8年(1779)、盛徳院(徳川家康公の長女、亀姫)により川崎東照宮造営に際し、その観音堂の御本尊として寄贈されました。その後、寺基の移転とともにこの伝承も途絶え、像の所在もわからなくなっていましたが、修理の工程で偶然にもこの観音像が幻の「こより観音」であることが確認されたのです。

昭和62年、古く傷んだこよりは像の胎内に納め、新たに京都黒谷の和紙に印した約1500人の奉納写経紙で調整した「こより大衣」を全身にお着せして、650年ぶりに本来の姿を復原しました。

引用:東光院 萩の寺ホームページより
東光院萩の寺ホームページより
こより十一面観音立像

ご覧ください、すごくないですか!?私は写経をまとった観音様を初めて見ました!南朝の女官たちが帝を偲んで法華経八巻を写経し、その紙をこよりにして衣に編み、この観音像にお着せしたということが実際にあったとは。歴史の風を感じました。

毎月1日に写経・法話が行われる際に目にすることができるそうです。一度は見てみたいものです!

道了大権現尊像

道了大権現
引用:東光院萩の寺ホームページより
妙覚道了大権現尊像

こちらは1590年(天正18年)、豊臣秀吉公が小田原征伐の陣中にて夢告を受け、「両翼脱落」の奇瑞を受けたことから、大坂の発展を願って大雄山最乗寺より勧請されたものです。寺院の関係者の方にお話を聞くと、火の神様で商売繁盛や心願成就のご利益もあるとのことでした。私も手を合わせました!

白狐にまたがり、右手に降魔の輪杖、左手に縛魔の剛縄を握り火焔を背にした形相は気迫に満ちています。火神商神、火盗除災、心願成就に霊験あらたかな大権現様です。

引用:東光院 萩の寺ホームページより

正岡子規の句

それからもう1つ。寺院関係者の方に聞いたお話で興味深いことがありました!それは正岡子規さんのお話です。日清戦争で従軍記者として中国に渡った正岡子規は、帰国の途中で吐血し、故郷の松山で療養し一時東京に戻る際に、当時中津にあったこのお寺に寄ったといいます。そして、

《ほろほろと 石にこぼれぬ 萩の露》

という句を残されたそうです。境内に句碑がありました。

そして9月19日(新暦)に東京で亡くなる前、有名な3句を残しています。

をとといのへちまの水もとらざりき
痰一斗糸瓜の水も間にあはず
糸瓜咲て痰のつまりし佛かな

昔化粧水の替わりに使われていたという「へちま水」は、旧暦8月15日の中秋の名月にとったものは薬になる、という言い伝えがありました。正岡子規死去後、萩の寺ではお弟子さんたちによる「へちま供養」が9月19日に行われているそうです。へちまに萩の筆で書写して子規さんの句碑の前でお供えされるようです。

これら以外にも、萩の道(大阪みどり百選)、あご無し地蔵堂、宝船七福神像、本尊薬師如来坐像、毘沙門天三尊像、釈迦如来坐像、阿弥陀如来三尊像、菅原道真観梅図、羅漢図、山水図など、まだまだ見どころはあります!全て見て回りきれないと思いますので、事前に調べて見たいところをチェックしておくことをオススメいたします!

宝船七福神像
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