正しく知ろう!コロナワクチンのこと
5/24午前8時から、大阪と東京の大規模接種センターで新型コロナウイルスワクチン接種が始まりました。大阪では1日あたり約2,500人、東京では約5,000人が予約しています。来週からは倍の1日あたり大阪5,000人、東京1万人の予約がされているということです。
東京オリンピックまであと2ヶ月というところで、日本では初めて大規模接種会場が設けられ、高齢者を対象にワクチン接種が始まったという状況です。
もう少し先にはなりますが、これから各世代でも接種が始まっていくコロナワクチンについて、正しく知っておく必要があります!どんな流れなのか?ワクチンの効果は?副反応は?などを簡単にまとめてみました。ご参考にしていただければ幸いです。
①コロナワクチン接種の流れ
コロナワクチンは肩の筋肉に垂直に接種する筋肉注射です。一般的に筋肉注射は皮下注射よりも痛くないとされています。公費負担のため接種は無料です。
接種1回目
↓ 3週間(21日)あけて2回目接種
接種2回目
↓ 2回目接種後は副反応が多く報告されています。
接種当日と翌日は予定を空けておくのがおすすめです。
接種後も今まで通りの感染対策を!
コロナワクチンは2回接種することによって望ましい効果が得られます。
しかし、以下の方は接種が受けられません。
・他のワクチンを2週間以内に接種している
・明らかに発熱(37.5℃以上)している
・重い急性疾患にかかっている(酷い風邪症状や胃腸炎症状など)
・1回目のコロナワクチン接種後にアナフィラキシー反応が出た
②接種当日の流れ
コロナワクチン接種後、しばらく待機時間があります。
アレルギーなしの方は15分、アレルギーありの方は30分待機します。
花粉症や喘息などのアレルギーの方は15分待機です。
接種後の当日は入浴はOKです。
ただし激しい運動は避け、過度なアルコール摂取は控えましょう。
接種後もこれまで通りの感染対策をしましょう。
ワクチンの効果が何年も持続するのかは分かっていません。
また、多くの人がワクチン接種完了するまで時間がかかるので、接種後もこれまで通りの基本的な感染対策(手洗い、マスクの着用、人混みを避ける、ソーシャルディスタンス)を継続しましょう。
③コロナワクチンの効果
現在日本で接種が進められているワクチンは、今年の2月に国内で承認されたファイザーのワクチンと、5月21日に国内で承認されたばかりのモデルナのワクチンです。モデルナと同じ21日に承認されたアストラゼネカのワクチンは、「血小板減少を伴う血栓症」の発生とワクチン接種が関連すると指摘されたことで、現在は当面の間接種が見送られています。
ワクチンの効果は以下の通りです。(ファイザー社より)
〇発症予防効果95%
〇重症化予防効果あり
〇高齢者への有効性も高い
〇人に移す可能性を減らす効果が期待されている
※発症予防効果の95%というのは、100人中95人に効くという意味ではなく、接種した人の発症率が接種しなかった人の発症率より95%少ない、という意味です。モデルナのワクチンは有効性94.5%とされています。
インフルエンザワクチンだと効果は50%です。コロナワクチンは非常に効果が高いとされているワクチンです。
また、日本でも感染が確認されているインド型の変異株について、ファイザーとアストラゼネカのワクチンで有効だとイギリス保健当局が発表しています。詳しくはこちらをご覧ください。
コロナワクチンいつから効く?
コロナワクチンは、2回目の接種をして7日目以降から十分な免疫ができるとされています。
一度新型コロナウイルスに感染した人も、ワクチンと比べると得られた免疫は弱い可能性があるので、ワクチン接種をすることが望ましいと言われています。
④コロナワクチンの副反応
副反応とは、ワクチン接種が原因で起こる反応のことです。コロナワクチンでは1回目より2回目の接種後により強く起こりやすいと報告されていますが、十分な免疫をつけるには2回接種が望ましいとされています。このワクチンを接種しても人の遺伝子に影響が出ることはありません。
主な副反応は以下の通りです。
- 接種時の痛み (最も多い!)
- だるさ
- 頭痛
- 筋肉痛
- 寒気
- 発熱
- 接種部位の腫れ
- 関節痛
- 吐き気
接種した1-2日後に副反応が出ることがありますが、ほとんどが3日以内に回復します。
特に2回目の接種後は発熱を含めた副反応が起きやすいことが分かっているので、接種当日と翌日は可能であれば予定を空けておくことが推奨されています。発熱時は解熱剤を使ってもワクチンの効果が下がることはないので、解熱剤を服用しても大丈夫です。(解熱剤はアセトアミノフェンを含むものがおすすめです。)
1回目の接種で副反応が出ても、アナフィラキシーなど重い症状でなければ2回目の接種は可能です。
しかし、副反応予防としてあらかじめ解熱剤などを服用することは推奨されていません。
咳やのどの痛み、息切れなどの症状が見られた場合は風邪や新型コロナウイルス感染症の可能性があります。接種後2日以上経っても熱が下がらない、症状が重いという時は医療機関に相談しましょう。副反応が出てもよく見られる症状なら、様子を見て落ち着いた判断をしてください。
アナフィラキシーとは
簡単に言えば強いアレルギー反応のことで、ワクチン接種後に短時間で以下のような症状が2つ以上出る場合をアナフィラキシーといいます。
- 皮膚・粘膜症状(発疹、かゆみなど)
- 消化器症状(腹痛、嘔吐)
- 循環器症状(血圧低下、意識障害)
- 呼吸器症状(呼吸が苦しいなど)
コロナワクチンで起こるアナフィラキシーの頻度は、20万接種に1回で、そのうち70%が15分以内、90%が30分以内に起こるとされます。ワクチン接種後の待機時間は、もしアナフィラキシー反応が出た時に対応できるように設定されています。
アナフィラキシーは、アドレナリンの筋肉注射や酸素投与、安静にするなどの適切な治療によって回復し、後遺症は残りません。
承認されたばかりのワクチンなので、どうしても副反応などが心配になってしまいますが、正しく知っておけば過度に心配しすぎる必要はありません。※過去にワクチンを打ってアナフィラキシーなど重い症状が出た方は、かかりつけ医に相談してから接種するか判断する必要があります。
国内の重症者の数は5/24時点で1,300人となっています。医療ひっ迫度も高まり、必要な医療が提供できなくなるような状況となっているところがあります。医療従事者の方が最前線で闘っている中、私たちにできることは“我慢”です。コロナ慣れという言葉も聞かれますが、危機意識が薄れることはあってはならないと思います。コロナワクチンの接種が国内で進み、感染者数が抑え込まれるまで引き続き感染予防対策を継続していきましょう!
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