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花山院菩提寺

先日兵庫県三田市にある花山院菩提寺へ行ってきました。今日は私が行きたかった寺院の1つである花山院菩提寺さんの紹介をさせてください!

七地蔵尊

皆さんもお墓やお寺などで六体のお地蔵さんを見かけられたことがあると思います。六体のお地蔵さんは六地蔵尊として、死後の世界でも人々を救う仏様です。人は亡くなると新しく六つの世界に生まれ変わる(輪廻転生)とされています。地獄道・畜生道・餓鬼道・修羅道・人道・天道の六つの世界があり、どの世界に行っても人々を救えるように、お墓には必ず六地蔵尊がいます。たとえ地獄に落ちた人でも、地蔵が身代わりとなって苦しみをうけてくださるとされています。

ここ花山院には六地蔵尊でなはく、七地蔵尊がお迎えされています。いつもながらお寺の関係者の方にお話を伺うと、ありがたいお地蔵様であることがわかりました。

まず家族・家庭から幸せに。そして自分、世の中が幸せになるようにという願いが込められているお地蔵様で、皆様に触れていただきたいというご住職の思いがあるそうです。

  1. 祖父地蔵
  2. 祖母地蔵
  3. 父(夫)地蔵
  4. 母(妻)地蔵
  5. 子供地蔵
  6. 結び地蔵
  7. 賢者地蔵

以上の七体のお地蔵様が、家族関係や様々な悩みに対して、手を触れて「お力をお与えください」とお願いすると、調和や幸せなどを与えてくださると言われています。

祖父地蔵
祖母地蔵

祖父地蔵は軍配を持ち、智恵を臨機応変に授け、慈悲に満ちた大きな存在として生きられるようにという願いのお地蔵様です。祖母地蔵はほうきを持ち、心のゴミを掃除し、いつもキレイな心で生きられるようにという願いのお地蔵様です。

父(夫)地蔵
母(妻)地蔵

父(夫)地蔵は天球を持ち、主としてすべてを支える役割を果たせるようにという願い、母(妻)地蔵は蓮華を持ち、どんな環境でも本性の花を咲かせるように生きられるようにという願いのお地蔵様です。

子供地蔵
結び地蔵
賢者地蔵

子供地蔵は系図を持ち、遥か昔から大人も子供も神仏の子供であるので、その子供たちの幸せを願うというお地蔵様です。結び地蔵はひもを持ち、神仏と人は繋がっていていつも孤独ではないということを表し、人々の幸せを願うお地蔵様です。賢者地蔵は経文を持ち、神仏の摂理を文字にしたものを持っていることで、人々の幸せを願うお地蔵様です。

花山天皇と十一人の女官

花山院菩提寺で弔われている花山天皇(法皇)には有名なお話があります。花山天皇は第65代天皇(984年~986年)で、17歳の時に即位しました。そして、わずか19歳で突然宮中を出られ、剃髪し仏門に入られました。三十三か所の霊場を廻られた後、三田にある紫雲山(しうんざん)にこもられたので、この寺は花山院と呼ばれるようになったそうです。お話によると、花山法皇はこの場所を大変気に入られ、長く滞在するようになったといいます。

法皇がこの山に入られたことを風の便りで聞いた京の十一人の女官たちは、法皇を慕って花山院まで訪ね、お世話を申し出るのですが、この山は女人禁制のため登ることは許されませんでした。女官たちは、少しでも近いところに住めばお世話ができると考え、黒髪を切り落とし尼となって山のふもとに住んだといいます。いつしかこのあたりを「尼寺(にんじ)」と呼ばれるようになり、今でも地名として残っています。

ある日、これ以上は立ち入れないという場所まで登り、琴を出して、一生懸命に琴の音色を響かせました。法皇は修行中の身のため山を下りることはできませんでしたが、琴の音色を聞いておられました。草木の美しい朝、月の満ちた夜など、女官は琴をひいて法皇をお慰めされていたそうです。そのような出来事から、この辺りの坂は「琴弾坂(ことひきざか)」と呼ばれるようになったといいます。

現在、花山院より少し下りてきた辺りの尼寺にある小高い丘には、お后様を真ん中にして、十一人の女官のお墓があります。苔むしたお墓の周りを椿の木がとりまいていました。このようなお話を聞くと、タイムスリップした感覚になり、歴史の息吹を感じられるので私は歴史が大好きです。

花山院参道の4丁目に「琴弾坂」の石碑と女官のお墓があります。花山院に向かうちょうど中腹辺りの坂の左手にポツンとあるので、花山院の外になるのですが、行かれる方はぜひ押さえておいてほしいスポットです!

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