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各社火災保険料が値上げへ

昼間は少しずつ暖かい日が増えてきましたね。桜の開花が待ち遠しいです!

今回は火災保険料の値上げについてです。大手損害保険各社は2022年10月から住宅向けの火災保険料を11~13%程度引き上げるとしています。ここ数年日本各地で台風や大雨の風水害が多発し、保険金支払いが増加したことが値上げに影響しています。

火災保険の「参考純率」改定

損害保険会社が火災保険料のベースにする「参考純率」は度々改定されています。

参考純率の改定内容

  • 2014年7月 プラス3.5% 10年超の保険期間廃止
  • 2018年6月 プラス5.5%
  • 2019年10月 プラス4.9% 築浅割引の導入
  • 2021年6月 プラス10.9% 5年超の保険期間廃止

2014年以降の5年間で既に3回引き上げられています。さらに14年の改定では、最長36年間だった保険期間が10年間に短縮されました。さらに、古い住宅でより多くの損害が発生することが明らかになったため、2019年の改定では住宅の築年数による料率差も設けられました。

しかし2019年の大きな改定のあと、台風15号、台風19号が襲来し、各地で深刻な被害が発生しました。支払保険金が2年連続で1兆円を超えるという、過去に例のない事態となりました。度々の改定後も、自然災害による損害によって火災保険収支は赤字が常態化しました。今後来ると言われている巨大災害に備えて積み立てられている異常危険準備金の残高も枯渇状態にあるといいます。

こうして2021年6月の改定では、過去最大の値上げ幅となりました。大手損害保険各社は、参考純率に事業経費などを1~2%程度上乗せする形で、最終的な火災保険料を調整しています。

災害を引き起こす気候変動

毎年のように風水害が起こる背景には、地球規模の急激な気候変動があります。国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2021年「第6次報告書」では、急激な気候変動の原因が人間活動によることに「疑う余地がない」としました。これを受け、脱炭素社会の実現に向けたアクションが世界中で加速しています。

それでも、2040年までに平均気温は1.5度上昇する可能性が高く、10年に1度の大雨が降る頻度は産業革命前の1.5倍と見込まれています。これでは、今後も火災保険料の引き上げが続くと考えざるを得ません。さらに、水災リスクに応じて土地ごとに違う保険料を設けるという検討が金融庁で現在進められているといいます。水災リスクの高い土地の保険料がこの先特に高くなる可能性が出てきました。

公平性の観点から、リスクに応じた保険料が設定されることは原則ですが、自然災害の多い国と言われている日本で、生活基盤を守る必需品である火災保険が、加入できなくなるほど高くなるのは適切とは言えないので、保険加入時の保険料補助なども検討されなくてはなりません。

私たちも日頃より必要な防災グッズが揃っているか確認し、安心できる補償内容の火災保険に加入して、起こり得る「もしも」に備えましょう!

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