梅雨明けは特に注意!熱中症!!
7月17日土曜日、近畿地方と東海地方で梅雨明けが発表されました。今年の近畿、東海の梅雨入りは5月16日。統計史上最も早い梅雨入りとなったことで、過去最も長い梅雨になりました。(参考:気象庁「令和3年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」)
大阪でも警報が出るような大雨になった日や、この世の終わりかと思うような非常に激しい雷雨の日もありました。ようやく梅雨が明けたとホッとしていますが、明けた途端に猛烈な暑さが続き、いよいよ真夏が本格的に始まったなと感じています・・・。
梅雨明けは熱中症リスクが高い!
梅雨が明けたばかりだとまだ体が暑さに慣れていない、高温多湿であることなどから、梅雨明けの暑い時期が最も熱中症の発生リスクが高いと言われています。
熱中症とは?
熱中症とは、主に初夏から夏にかけて環境に体が適応できないことで起こる様々な症状の総称です。晴天時の暑いときだけではなく、梅雨時などの湿度が高いときも起きやすいです。熱中症には高齢者がかかりやすいですが、子どもも多いです。子どもは低年齢ほど症状をうまく伝えられないので、特に注意が必要です。症状は進行することがあるので、その後の経過にも注意です。悪化するなどした時は速やかに救急車などで医療機関を受診してください。
熱中症の症状
軽症(Ⅰ度)
- めまい
- 立ちくらみ
- 筋肉痛(こむら返り、足がつるなど)
- どんどん発汗する
- 手足のしびれ
- 気分の不快感
意識障害はなく、熱もあまり上がりません。立ち上がったときにクラッとする立ちくらみや、呼吸や脈が速くなるなどの症状が現れることがあります。大量の汗をかいて体内の水分と塩分が不足すると、足や腕などに筋肉に痛みを伴うけいれんが起こることがあります。
中等症(Ⅱ度)
- 頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- だるさ
- 疲れ
意識障害はありませんが、体がぐったりする、力が入らないなどがあります。発汗があり、体温は正常~40度未満になります。夏に流行する胃腸炎などの感染症と紛らわしいことがあり、放置や判断を誤ると、重症化する危険があります。
重症(Ⅲ度)
- 呼びかけへの反応がおかしい
- けいれん
- 異常な高体温
- 異常な発汗、もしくは汗が出なくなる
- 真っ直ぐ走れない、歩けない
- 肝臓や腎臓の障害(血液検査でわかります)
重症の可能性がある場合は、救急車を呼んでください。体温が高い、意識障害が少しでもみられる、けいれんがあるなどの症状があれば、入院治療や場合によっては集中治療が必要なので、緊急で救急要請をしてください。救急車を待っている間にも応急処置を進めてください。
応急処置のポイント
- 涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせる
クーラーの効いた室内など涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせます。 - 体の冷却
服をゆるめ、保冷剤やタオルで首・脇の下・太ももの付け根など、太い血管の部分を冷やします。肌に水をかけたり、濡れタオルで拭くなどし、厚紙などであおいで風を送ります。※エタノール噴霧や制汗スプレーを吹きかけることは、熱中症の応急処置としては推奨されていません。 - 水分の接種
脱水の治療としては「経口補水液(ORS)」が推奨されています。
乳幼児にはアクアライト®、ORS、授乳中の児には母乳やミルクがいいとされています。
乳児で30~50ml/㎏、幼児で300~600ml/日です。
乳児で脱水かもと思った場合は、速やかに受診してください。
小児・成人にはOS-1®です。なければ市販のスポーツドリンクや2倍に薄めたリンゴジュースも可です。
学童~成人で500~1,000ml/日です。
1リットルの水に砂糖大さじ2~4杯+食塩小さじ0.5杯を溶かせば自家製のORSが出来ます。作り方だけでも覚えておくと、いざという時に使えます!
※意識レベルが悪い場合や嘔吐がある場合は、水分の接種を控えてください。
また解熱剤ですが、熱中症による発熱は下がりませんが、頭痛の症状には鎮痛効果があります。
応急処置をしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。経口で水分補給ができない、様子を見ていたが症状が改善しないなどがあれば、意識障害がなくても自家用車ですぐに受診しましょう。
ぐったり感が強ければ救急車を呼びましょう。待つ間にも応急処置を続けることが大切です。
熱中症の予防ポイント
梅雨明け、30度以上の天候では特に注意が必要です。屋外での作業、運動は危険になります。絶対に無理をせずに予防をしっかりおこないましょう。
- こまめな水分補給を!
のどが渇く前に水分補給をしましょう。麦茶は手軽に作れますがミネラル成分が少ないので、スポーツドリンクと組み合わせて摂取するようにしましょう。 - 服装にも注意!
薄い色の服、吸湿性や通気性の良い素材で、屋外では帽子を着用しましょう。マスクは人通りの少ない場所では積極的に外すようにしましょう。 - 地面の熱に注意!
背の低い子供は大人より地面の熱を受けやすいです。保冷剤などをうまく使って予防しましょう。また、ベビーカーの日よけもしましょう。 - 屋内でも油断しない!
日差しのない屋内でも、屋外と同様に注意が必要です。
塩分チャージタブレットなど、手軽に塩分を摂取できるタブレットや飴なども常備しましょう。
そして毎年のように子どもを車内に置き去りにする死亡事故が起こっています。「寝ているから」「ちょっとの時間だから」という理由で車内放置をすることは絶対にしてはいけません。「今日は涼しいから大丈夫」と思っても、車内はあっという間に高温になります。たとえエンジンを付けてクーラーをかけたまま出たとしても、誤ってクーラーのスイッチを切ったり、エンジンキーを抜いてしまうこともあるかもしれません。子どもの車内放置は絶対にやめましょう。
これから毎日猛暑日となるような日々が続くと予想されています。十分に注意・予防をしてコロナ禍の暑い夏を乗り切っていきましょう!
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