“群衆雪崩”から命を守るために
韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で10月29日夜遅く、大勢の若者が密集し、折り重なるようにして倒れる痛ましい事故が起こり、死者は156人となりました。死者の多くは女性であったといいます。梨泰院の群衆事故はなぜ起こったのか、“群衆雪崩”防ぐにはどうすればいいのか、まとめました。
事故現場はどのような場所か
事故が起こった梨泰院は韓国有数の繁華街で、韓国ドラマの舞台としても知られ、日本人観光客も多く訪れるエリアです。路地には飲食店やナイトクラブが立ち並んでいて、週末には多くの若者や観光客でにぎわう人気スポットです。
事故現場となったのは地下鉄 梨泰院駅を出てすぐ、飲食店とホテルに挟まれた狭い通りで、幅3.2メートル、長さは45メートル程度の細い坂道でした。
3年ぶりに新型コロナウイルスの規制が緩和されたこともあり、ハロウィーン前の梨泰院には大勢の若者が繰り出していました。地元メディアによりますと、当時は10万人以上が訪れたとみられるということです。
事故が起こった時間、事故現場やその周辺に数万人が集まっていたとされ、突然、坂の上から次々と折り重なるように人が倒れていったということです。テレビ等で流れる当時の映像をみると、身動きがとれないほどに混み合っている様子がうかがえます。
群衆事故の原因
人があれだけ密集した原因について、地下鉄の駅を出て繁華街に向かうために坂を上がる人と、繁華街から駅の方向へ下りる人の動線が重なったためだという見方があります。
事故発生から1時間で消防には「十数人が下敷きになっている」などの通報がおよそ80件寄せられたといいます。また、事故発生の3時間以上前に第一報がはいっていて、「圧死しそうです」「いたずらじゃないです」「大型事故になる一歩手前です」といった通報が入っていたそうです。
韓国政府によると、これまでに156人が死亡が確認され、死者の多くは10代、20代の若者で、特に女性が多かったということです。死因としては多くが窒息だったということで、現場で救命活動に当たった医師の話では「ほとんどは心臓マッサージをしても蘇生できない状態だった」と報じられています。
“群衆雪崩”を防ぐには
群衆雪崩が起きるのを防ぐために大事なことは、人員を配置しての適切な「誘導」と「監視」です。DJポリスなどで人の流れを誘導すること、路地の中にも人員を配備して危ないときは連絡し、一方通行にしたり、入ってくる人を制限したりすることが大切です。
東京渋谷のハロウィーンでは、毎年多くの警察官が警備にあたり、DJポリスも配置されています。
群衆雪崩に巻き込まれないようにするためにいくつか知っておくべきことがあります。
①立ち止まらない
DJポリスなどがよく「立ち止まらないでください」と呼びかけていますが、もし誰かが立ち止まると、道が狭くなり密集ができやすくなります。
②入り口をチェック
路地の入り口が混雑していたら、「路地の中はもっと混雑している」と思ったほうがよいので、中に入るのをやめましょう。
③肩が触れたら危険
周りの人と「肩が触れ合うほどの密集」を感じたらすでに危険です。迷わずその場を離れましょう。
巻き込まれたら
万が一、巻き込まれて動けなくなってしまった時は、たとえスマホ等を落としたとしても絶対に拾わないことです。拾うために急にしゃがむと、それがきっかけとなって次々と周りの人が倒れて群衆雪崩が起きやすくなります。自分が一番被害を受けることになりますが、周りにいる多くの人も巻き込んでしまうことになるので、自分の命を守る行動をとるようにしましょう。
肩と肩が触れ合うほどの密集は危険だということを改めて頭に置き、人混みはできるだけ避けるようにしましょう!
NHKニュース 韓国 ハロウィーン前の梨泰院 154人死亡 何が起きた? 対策は?
日テレNEWSZERO プライチ
この記事へのコメントはありません。