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新型コロナワクチン 日本の課題とは

新型コロナウイルスの感染者数が急増し、日本医師会は「医療従事者の心身の疲弊もピークに達している」と改めて強調しました。基本的な感染予防対策を徹底し、少しでも感染拡大防止に繋げていかなくてはなりません。

世界各国ではコロナのワクチン開発が進められており、イギリスでは12月2日、アメリカでは12月11日にワクチンの緊急使用許可が出され、接種が開始されました。日本においても、塩野義製薬が開発しているワクチンの臨床実験が16日から開始され、来年2月末以降の最終臨床実験を目指して進められています。日本で臨床実験に至るのは、6月に製薬会社アンジェスが実施して以来の2例目です。

ワクチン投与の対象は200名以上の成人の日本人で、3週間おきに2回接種して安全性を確かめます。塩野義製薬は4月からコロナワクチンの開発を開始していて、臨床実験と並行してワクチン量産体制の構築も進め、来年末までに3,000万人分以上のワクチン生産ができる体制を整備したいとしています。

厚生労働省はホームページなどでコロナワクチンの開発と見通しについてや、ワクチンの早期実用化への取り組みを明示しています。

引用:厚生労働省ホームページより新型コロナウイルス感染症のワクチンについて

詳しくは厚生労働省ホームページの新型コロナウイルス感染症のワクチンについてのページをご覧ください。

しかし、日本でコロナワクチンが承認されるにはいくつかの課題があるといいます。

課題①ワクチンの管理方法

コロナワクチンは「超低温管理」する必要があります。国内へ輸送する際のコールドチェーン(低温物流)を確立すること、冷凍庫の確保などが重要課題となっています。

アメリカでは、ニューヨークの製薬会社「ファイザー」のワクチン接種が始まっている他、21日からは製薬会社「モデルナ」のワクチン接種も開始されました。ファイザーとモデルナのワクチン合わせて、来年初めにかけ2,000万回分の供給を目指すとしています。

ファイザーは、コロナワクチンの日本国内での使用に向けて、18日厚生労働省に承認を求める申請を行い、早ければ2月中にも承認するかどうか結論が出る見通しです。

引用:NHKニュースWEBより

ファイザーのワクチンの場合、-70度の超低温で冷凍保管する必要があります。スピード勝負になるため海外から運ばれたワクチンは、成田空港に近い倉庫で冷凍保存してから、ファイザーが用意する保冷箱に入れて各地の病院などに直送することが検討されています。(ファイザーが用意する保冷箱は最低でも10日間は-70度を保てるとされています。)

ワクチン接種場所は次の場所が想定されています。

  1. 大きな医療機関
  2. 保健所などの公の場所
  3. インフルエンザワクチンと同じようなクリニック等

ワクチン接種は各自治体の保健所が中心に取り組むとされています。厚生労働省は10日「超低温でワクチンを保管できる冷凍庫約1万台を各地に配備する」としましたが、ワクチン接種を見込んでクリニックなどでは、超低温冷凍庫の注文が急増しています。

承認が順調に進めば、2月下旬には日本でもワクチンの供給が始まるため、接種を開始できるよう管理体制の整備が必要になります。

②人手不足

各自治体の保健所が中心となってワクチン接種に取り組むとされていますが、現在もコロナ対応に追われている保健所が予防接種にも対応するとなると、絶対的に人手が足りないと指摘されています。

コロナ対応によって業務量が増えたことで人手不足が深刻化していることから、21日厚生労働省は職員の500人以上の増員を発表しました。保健所支援などのコロナ対策の部署を中心に増員し、空港の検疫所、国立感染症研究所などでも増員するとしています。

東京都墨田区の保健所では、12月から「新型コロナウイルス予防接種調整担当」という新たな組織が作られました。ワクチン接種に向けて、人手の確保や体制整備を進めないといけません。

③安全性の懸念

最も感染者数が多いアメリカの世論調査では、4割を超える人が「接種を望まない」と回答していることがわかっています。ワクチンの安全性がそれだけ懸念されているということです。そこでオバマ元大統領、ブッシュ元大統領、クリントン元大統領の歴代3人の大統領が「私は接種します」と表明し、ワクチン接種を呼び掛けています。

日本ではどうでしょうか。NNNと読売新聞の世論調査で、ワクチンが無料で接種できるようになればどうするか聞いたところ、

  • すぐに接種を受けたい・・・15%
  • 急がないが接種は受けたい・・・69%
  • 受けたくない・・・15%

という結果でした。すぐに接種を受けたいと答える人が15%ということは、やはり日本でも安全性が懸念されていると言えます。

ファイザーのワクチンの臨床試験で、疲労3.8%、頭痛2%の副反応が出たと言われていますが、高齢者などは「ワクチンの安全性」と「コロナにかかったリスク」を見て接種するか考えなければなりません。副反応については、実際に多くの人が接種するようになったらどうなるか、長期的に見る必要があります。

また、ファイザーのワクチンを接種した27万人以上のうち、6人(18日までの報告)が激しいアレルギー反応である「アナフィラキシー」の症状が出たと報道されましたが、必要以上に怖がることはないと考えます。どのような薬でもアレルギーが起こる可能性があることを改めて頭に置き、過去にアレルギー反応が出たことがある人は控えるなど、個人の判断が大切になってきます。

今が正念場!

日本のコロナ感染者数は高止まりしており、死者数は11月の倍となっています。医療崩壊の加速が懸念されていますが、この今の状況に高い危機感を抱いて、行動を変えていくことが求められています。

「人との距離」「手洗い・消毒」「マスク着用」「換気」など基本的な感染対策を徹底し、感染リスクが高まる場面をできる限り避けましょう。感染者数を減少させていくためには、12月の今が正念場と考え、“うつらない”“うつさない”行動をしましょう!

引用:厚生労働省ホームページより

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