自転車保険とは?保険入門その⑦
平成30年4月から自転車保険への加入を義務化する自治体が増加してきました。自転車事故による高額な賠償事例が見られる中、被害者を守るため、また加害者の経済的負担を減らす目的から、かつては任意加入だった自転車保険への加入が義務付けられるようになりました。
そこで今回は「損害保険 自転車保険編」のお話をさせていただきます!
自転車保険とは?
自転車保険とは、自転車事故のリスクをカバーするため「個人賠償責任保険」と「傷害保険」がセットになったものです。自転車事故を起こして相手にケガを負わせてしまったり、物を壊したりして損害賠償責任が発生した場合に、加入時に設定した保険金額の範囲内で賠償金が補償されます。自分が加害者・被害者を問わずに、ケガをした場合に保険金を受け取ることもできます。自転車事故の損害賠償金額が数千万円に上るケースもあり得ることから、保険金額は1億円以上に設定するのが安心かと思います!
自転車保険が義務化されている自治体は?
自転車利用者に対して、自転車保険への加入を義務付けているのは、6府県5政令市です。自転車保険への加入を努力義務としているのは、10都道県3政令市です。国土交通省まとめの自転車保険加入促進自治体の現状は以下の通りです。
加入義務
都道府県・・・埼玉県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県
政令市・・・さいたま市、相模原市、名古屋市、京都市、堺市
努力義務
都道府県・・・北海道、群馬県、千葉県、東京都、鳥取県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県
政令市・・・千葉市、静岡市、福岡市
また、自転車小売業者等に対して、加入義務の都道府県と努力義務の政令市は、自転車保険への加入の確認を100%推奨しています。学校への確認推奨は全自治体40%以下、事業者に対しての確認推奨は20%以下となっています。
自治体によっては住民だけでなく、その地域で自転車に乗る全ての人に自転車保険への加入を義務付けているところがあります。お住まい、通勤通学の地域が該当するかは、各自治体のホームページからご確認ください。
自転車保険加入のメリットは?
自転車事故がその他の事故と異なっている点は、子供であっても加害者になる可能性があるということです。子供が自転車を運転して事故を起こした場合、損害賠償金の支払いはどうなるのでしょうか?
自転車事故では、自転車を運転していたのが子供であっても、大人が運転していたのと同様に損害賠償責任が発生するので、相手に賠償金を支払わなければなりません。子供が未成年なら、賠償義務は監督責任者である親(または保護者)が負うことになるためです。実際、過去の判例においても両親に賠償命令が下されています。
賠償金額が高額に至らない事故であれば、ご両親が弁償して済むかもしれません。しかし子供が小学校高学年以上にもなれば、かなりのスピードで自転車を運転し、歩行者や自転車同士の事故が起こる可能性があります。賠償額が高額になることも考えられるので、自転車保険へ加入するのが望ましいと考えます。
自転車保険の補償、メリットをご紹介いたします。
- 事故相手への損害賠償
自転車事故で相手にケガを負わせた、物を壊したなど、賠償責任が発生した際の補償が受けられます。 - 自身のケガの補償
自転車事故で負ったケガの補償が受けられます。 - 示談交渉サービス特約
自転車事故を起こした時、個人で相手や相手の保険会社との過失割合などの示談を進めるのは、相当に骨の折れるものです。示談交渉サービスを活用すると、自分に代わって保険会社の担当者が相手との示談交渉をしてくれます。
個人型と家族型
自転車保険は、被保険者のみを補償対象とする「個人型」と、被保険者とその家族も補償対象とする「家族型」に分かれています。それぞれのご家庭の状況に合わせて、個人賠償責任補償と傷害補償がどれくらい必要か判断し、個人型か家族型か選択しましょう!
家族型の場合、配偶者や子供が自転車事故を起こして、相手にケガを負わせた時でも、自分がケガを負った時でも補償されます。ただ、被保険者本人と家族とで補償範囲が微妙に異なる保険会社もあるので、加入前によく確認しておくことが必要です。
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