2020年のコロナ禍で急落したガソリン価格でしたが、今年に入って価格の上昇が続いています。

資源エネルギー庁が7月7日に発表した石油製品の価格調査結果によると、7月5日時点のレギュラーガソリンの店頭現金小売価格の平均は、1リットルあたり157.5円でした。

ガソリン価格は2020年、コロナ禍で大きく下がりましたが、そこから値上げが続き、現在では2018年11月以来の水準となっています。特にこの4週で4.6円も上がっているようです。

都道府県別にみると、10都道府県で平均価格が160.0円以上を更新しています。

値上げの原因は？

資源エネルギー庁から価格調査を受託している石油情報センターによりますと、原因は原油価格の上昇だといいます。日本では東京都での4度目の緊急事態宣言が出されるなど、まだまだコロナ禍の影響からは脱せないことが主な原因となっているようです。

これまで産油国は、需要を反映して減産をおこなってきましたが、世界中でコロナワクチンの接種が進み、IATA(国際航空運送協会)では「旅行需要の回復がコロナ禍当初の見込みよりも早まる」としています。アメリカのユナイテッド航空などは、今年の夏の国内旅行の収入の水準が2019年を上回る見通しを示しており、石油需要の拡大が予想されているようです。

産油国からなるOPECプラスで、協調減産の緩和についての議論がされたのですが、7月5日の会合が不調におわると、一時、原油価格が急騰しました。ただ、その後は下がってきています。

石油情報センターは、「増産すれば原油価格は下がる。しかし、先行きがどっちに転ぶかは不透明」としています。石油の元売り各社が卸値を0.5円引き上げましたが、その先の価格は小幅な値上げを予想しているということです。

参考：乗りものニュース