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睡眠不足が蓄積すると

「なかなか寝付けない」「眠れても途中で起きてしまう」など、何かしらの不眠症状に悩んでいる方は多いと思います。昔の日本人は、寝る間を惜しんで何かに励むこと=美徳であると考え、睡眠時間を削って働くということが良いことだとされていた時代がありました。

しかし、今の日本では心と体を壊してまで働くことが良いこととはされていないと思います。毎日のことなのについ後回しにしてしまいがちな睡眠問題ですが、睡眠不足がもたらす身体への影響をまとめてみました。

睡眠のやくわり

睡眠には、「身体と脳の休息」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情の整理」などの非常に重要な役割があります。

睡眠不足が続くと睡眠の役割が果たせず、風邪をひきやすくなったり、体内時計が乱れることで、がん、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスク、うつ病などの精神疾患、認知症などの発症リスクが高まると報告されています。また、記憶力、感情、パフォーマンスにも影響が出て、経済損失が大きくなるともいわれています。

睡眠は健康に生きていくうえで非常に重要であることがわかります。

睡眠不足=睡眠負債

東洋経済オンラインに、10年後「死亡率」が最も低い睡眠時間は何時間か、という記事があり、その中にアメリカの睡眠研究を引っ張ってこられた第一人者ウィリアム・C・デメント教授の「睡眠負債」という話がありました。

ウィリアム・C・デメント教授は、積み重なる睡眠不足を「睡眠負債」と表現し、人が必要な一定の睡眠時間より足りないと不足分がたまっていく、つまり眠りの借金がたまり、脳や身体に様々な機能劣化が見られるため、睡眠不足は危険であると1990年代に呼びかけたそうです。

「負債」という表現はインパクトがあります。負債、借金というのはどんどん膨らんでしまい、どうにもならなくなりますが、それは睡眠でも同じだということです。

睡眠不足が突然死にもつながる

睡眠は脳や身体の休息だけでなく、「血管の修復」もおこなわれているそうです。睡眠中はリラックスした状態になり、心拍数と血圧が下がるので血管にとって良い環境です。しかし、睡眠不足になると交感神経が働き血圧が高くなります。睡眠不足が続き、生活習慣が乱れていると高血圧を発症してしまいます。

高血圧でおこる主な病気は、脳血管障害(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)、心臓病(狭心症や心筋梗塞など)、腎臓病、動脈硬化などがあります。これらは生死にかかわる重大な病気です。そして、高血圧は初期症状がない人が多く放置されやすい病気で、血管の状態が悪化して初めて症状が出ることが多いそうです。さらに怖いことに、症状が出て24時間以内に死亡する「突然死」が起こることもあるそうです。

睡眠不足は様々な病気の発症リスクを高めるだけでなく、長距離トラック運転手などの居眠り事故にもつながります。

適切な睡眠時間

睡眠時間は長くとれば良いというものではありません。6時間未満の短い睡眠時間と、8時間以上の長い睡眠時間では、どちらも死亡リスクは高くなっていることがわかっています。(参考:大塚製薬免疫Navi 適切な睡眠時間と免疫

年齢などによって適切な睡眠時間は違ってきますが、死亡率が最も低い睡眠時間というのが報告されています。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、2002年、保険会社とアメリカがん協会の協力のもと、110万人を対象にして行なった疫学調査の結果によると、アメリカにおける平均的な睡眠時間は男女とも7.5時間だったということです。

当然人によってバラつきはあるということですが、同調査チームが6年間にわたって追跡調査をおこない、睡眠時間と死亡率の関係を調べたところ、最も死亡率が低かったのは、睡眠時間が約7時間(6.5時間以上7.5時間未満)の人たちだったことがわかったそうです。

アメリカでの調査結果と同じような結果が、日本の名古屋大学の研究で出ています。名古屋大学の調査は、40歳から79歳の男女約10万人について、10年間の追跡調査をおこない、平均睡眠時間は男性7.5時間、女性7.1時間で、10年後の死亡率が最も低かったのは、睡眠時間が7時間(6.5時間以上7.5時間未満)の人たちだったということです。睡眠時間がそれより短くなるほど、あるいは長くなるほど、死亡リスクが増しているという結果でした。

このことから、だいたい7時間くらいの睡眠時間が適切だといえます!

参考は、東洋経済オンライン10年後「死亡率」が最も低い睡眠時間は何時間かです。

睡眠不足は過労の1つだと思います。睡眠時間が6時間未満の状態が続いてしまっている方は、できるだけ早い段階で今よりも睡眠時間を確保するように、生活習慣を見直すことが健康寿命を延ばすために必要です。最悪の場合、突然死なんてことになってしまう恐ろしい状態であると意識を持ち、睡眠への意識を変えていきましょう!

参考:集英社OurAge ストレスと寝不足は血管にダメージ!突然死への序章

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