そもそも保険とは何なの?保険入門その①
保険とは?
こんにちは、アクシスの大ちゃんです。今日はそもそも保険とは何なの?というテーマで一緒に学んでいきましょう!
保険とは、いつ我が身に降りかかるかわからない病気・ケガ・事故・天災などの様々なリスクに備える制度のことです!同じような不安を感じている人々から一定額の保険料を集めて、万が一に備えるという助け合い(相互扶助)の考えのもとに成り立っています。
保険は公的保険と民間保険に分けられます。
Q.公的保険とは?
A.公的保険とは国や地方自治体などの公的機関が運営する保険のことで、強制加入なので加入しないと法律違反となります。
Q.民間保険とは?
A.民間保険とは民間の保険会社が販売している保険のことで、加入は任意です。たくさんの保険会社の中から自分や自分の家族に合った保険を選びます。
公的保険は以下の4つに分けられます。
①公的医療保険
公的医療保険の役割は、医療費の本人負担を軽減することです。会社員や公務員、自営業など働き方によって保険の加入先が違います。それぞれの保険種類は以下の4つで、必ずどれかに加入することが義務付けられています。
1国民健康保険(自営業の方など)
2長寿医療保険(75歳以上の方)
3健康保険(民間企業の会社員の方)
4共済保険(公務員・教職員の方)
我が国は、国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保険医療水準を実現。
引用:厚生労働省ホームページより
日本の国民皆保険制度の特徴
1 国民全員を公的医療保険で保障。
2 医療機関を自由に選べる。
3 安い医療費で高度な医療。
厚生労働省ホームページにある通り、日本には国民全員が公的医療保険で保障される「国民皆保険制度」があります。この制度によって高度な医療を安い医療費で受けられているので、世界最高レベルの平均寿命を更新していると考えられます。
2019年には日本人の女性、男性の平均寿命が共に過去最高を更新しました。女性が87.45歳、男性が81.41歳と、前年と比べて女性は0.13歳、男性は0.16歳それぞれ平均寿命が延びていることがわかります。詳しくは朝日新聞デジタルの記事(2020/7/31更新)をご覧ください。
厚労省が把握する50の国・地域の平均寿命を比較すると、日本人は女性が香港に次いで世界2位、男性が香港、スイスに次いで世界3位という。厚労省の担当者は「医療技術も発達しており、これからも緩やかに平均寿命は延びると見込まれる」と話す。
引用:朝日新聞デジタルより
②公的介護保険
公的介護保険は介護費用の負担軽減のための保険です。40歳以上のすべての方が対象で、特定の介護状態となった時に給付を受けられます。
・公的介護保険(40歳以上のすべての方)
公的介護保険で受けられるサービス内容の詳細や、要介護度の目安などは公益財団法人生命保険文化センターのホームページをご覧ください。
③公的年金保険
公的年金保険の役割は、老後に受け取る老齢年金、病気やケガによって身体や精神に障害が残った場合に支給される障害年金、死亡の場合に遺族へ支給される遺族年金の3つです。保険の種類は以下の通りです。
・国民年金保険(20歳以上60歳未満のすべての方)
・厚生年金保険(会社員・公務員の方)
20歳以上のすべての方が国民年金(基礎年金)に加入していて、さらに会社などに勤めている方は厚生年金に加入します。公的年金は「2階建て」となっているのです。厚生労働省ホームページの日本の公的年金は「2階建て」でマンガでわかりやすく解説しているので、ぜひご覧ください!
④労働保険
・労災保険(主に民間企業の従業員の方)
仕事中や通勤中に事故や災害に遭ったときの補償のための保険で、事業主が全額負担しています。補償の対象は、パート、アルバイトを含む従業員の方で、事業主や役員は補償の対象外です。
・雇用保険(民間企業の従業員の方)
労働者の雇用安定や促進のための保険で、失業した場合の一定期間の失業給付や育児休業をしながら雇用継続をするための給付などがあります。
⑤その他
地震保険(民間の火災保険加入者)
地震保険は、国と保険会社が「地震保険に関する法律」に基づいて、共同で運営しています。地震保険単独で加入することはできず、火災保険と合わせて契約が必要があります。
公的医療保険をわかりやすく解説!
公的医療保険について詳しく解説いたします!
患者負担割合
まず医療費の患者負担の割合を見てみましょう。
75歳以上・・・1割負担(一般・低所得者)
※現役並み所得者は3割負担
70歳~74歳・・・2割負担(一般・低所得者)
※現役並み所得者は3割負担
義務教育就学後~69歳・・・3割負担
義務教育就学前・・・2割負担
例えば、一般の会社員40歳の方が病気で入院したとします。3割負担に当たるので、実際にかかった費用が10万円だった場合、病院の窓口支払いが3万円ということになります。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、国民健康保険の加入者が、1ヶ月間1人で同じ医療機関にかかり、自己負担限度額を超えた場合、その超えた額が支給される制度のことです。医療費の家計負担が重くならないように設けられた制度で、年齢や所得に応じて上限額が決められています。
1件の自己負担額が、高額医療費の自己負担限度額に達しない場合であっても、同じ月に同世帯で21,000円以上を超えるものが2件以上生じたときは、これらを合算した金額が支給されます。つまり世帯合算ができるということです。同じ人が同じ月に2つ以上の医療機関にかかり、それぞれで21,000円以上となった場合も同様です。※ただし70歳~74歳の方がいる世帯では算定方法が異なります。
計算式は所得区分と年齢によって違います。所得区分は①現役並み所得者②一般所得者③低所得者の3区分で、年齢は①70歳未満②70歳以上75歳未満です。
詳しくは厚生労働省ホームページの高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)をご覧ください。
難しくてイメージしにくい方は、簡単に計算してくれる価格ドットコムの高額療養費の自己負担限度額シミュレーションをご利用ください。
公的制度を知ろう!
公的医療保険には出産時の費用をサポートする一時金や、病気やケガで働けなくなったときの手当金制度があります。公的医療保険における一時金、手当金制度をご紹介します。
出産に関する給付
- 出産育児一時金
赤ちゃんが生まれたときに1児につき42万円が支給されます。被保険者及び被扶養者が出産されたときは、協会けんぽ支部へ申請が必要です。出産された胎児分だけ支給されますので、双生児の場合は2人分が支給されることになります。※産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は、40.4万円となります。 - 出産手当金
被保険者が出産のため会社を休み、報酬が受けられない場合、出産手当金が支給されます。これは被保険者、ご家族の生活を保障し、安心して出産前後の休養ができるようにするための制度です。
傷病手当金
会社員の方が加入している健康保険には「傷病手当金」という制度があります。業務外の病気やケガで働けなくなり、給与等がもらえなかったり減額されたりした場合、傷病手当金が健康保険より支給され、収入減を補うことができます。
会社員の方の健康保険は2種類あり、中小企業等で働く従業員が加入する「協会けんぽ」と、大企業で働く従業員が加入する「健保組合」がありますが、ここでは「協会けんぽ」の傷病手当金についてご紹介いたします。
傷病手当金 支給の条件
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 療養のため仕事につくことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
※給与の支払いがある場合でも、傷病手当金の額よりも少なければ差額が支給されます。
上記の3について説明します。
業務外の事由による病気やケガにより、連続して3日間休み、4日目以降仕事につけなかった場合に、4日目から休んだ日に対して傷病手当金が支給されるという意味です。
※最初の連続3日間の休みのことを「待期3日間」といい、その期間は傷病手当金の支給対象にはなりません。この3日間には有給休暇、土日祝等の公休日も含まれます。
傷病手当金 支給期間
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から最長1年6ヶ月です。1年6ヶ月の途中で、一時的に出勤した期間があっても、その出勤日数も1年6ヶ月に含まれます。1年6ヶ月を超えて仕事に復帰できない場合であっても、その後の支給はありません。
傷病手当金 支給額の計算式(1日あたり)
「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3
退職後の傷病手当金について
会社を退職した場合でも、一定の条件を満たせば傷病手当金の支給を受けることができます。一定の条件とは、退職日の前日まで被保険者期間が1年以上継続しており、退職日の前日に支給を受ける条件を満たし、傷病手当金の支給を受けている場合です。
傷病手当金 申請方法
「健康保険傷病手当金支給申請書」に必要事項を記入、その他の添付書類と一緒に協会けんぽへ提出します。
被保険者、事業主、療養担当者がそれぞれ記入することになっています。
被保険者の欄には、氏名や住所、振込先口座などの個人情報などを記入します。
事業主の欄には、勤務状況や賃金の支給状況などを記入してもらいます。
療養担当者の欄には、傷病に関する詳細を医師などに記入してもらいます。
完成した健康保険傷病手当金支給申請書の他に、ケガの場合は「負傷原因届」など、場合に応じた必要書類も添付して提出します。
今回ご紹介した申請方法は協会けんぽのものですので、健保組合は全く別です。健保組合は企業単位や業界ごとに自主的に運営されているため、組合ごとにさまざまですのでご注意ください。
私が今回お伝えしたかったことは3つです!年齢によって自己負担が違うこと、現役並みの収入がある人は3割負担になるということ、出産一時金や傷病手当金などはご請求書漏れがないようにしっかり確認をすることです!ここまでお読みいただきありがとうございました!
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