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東日本大震災発生から12年 大震災に備える

東日本大震災が発生して今年で12年経ちます。宮城県三陸沖にてマグニチュードは9.0、日本国内観測史上最大規模の地震でした。大きな揺れ、大津波、火災などにより、死者は19,759名(災害関連死含む)、行方不明者2,553名(令和4年3月8日時点)にのぼりました。福島第一原子力発電所では、原子炉3基がメルトダウン(炉心溶融)し、世界最悪レベルの放射能汚染が発生。人々の暮らしと故郷が奪われました・・・。

甚大な被害が発生した東日本大震災を忘れず、近い将来必ず起こると言われている南海トラフ巨大地震に備えましょう。

南海トラフ最悪想定「半割れ」

先日NHKで放送されたドラマやニュースなどで出てきた「半割れ」というワード。これは南海トラフ巨大地震で想定される最悪の場合で、もし半割れが起こると「国難級」の災害になると言われています。

京都大学 河田惠昭名誉教授
「あまりにも被害が大きく、どこから手をつけていいか分からないような巨大災害です。今の時代はあらゆることがネットワークでつながっているため、一部でも大きく被害を受けると全体に響いてしまいます。例えば、巨大地震で大阪や名古屋を中心に大きな被害が出て、札幌や福岡は大丈夫かと言ったら、そこにもとんでもない被害が及んでしまうのです。この災害をきっかけに、日本の衰退が始まることも考えられます」

引用 NHKニュースより 「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定

恐ろしいことをおっしゃっていますが、備えは常に最悪のケースを想像しておくべきで、備えすぎということはありません。

半割れとは?

半割れとは、震源域の東西どちらかでマグニチュード8クラスの巨大地震が起こると、残りの半分の地域でも連動して“時間差”で地震が発生する、ということを指す言葉です。半割れは日本で起こった過去の巨大地震の時に発生しています。1944年の昭和東南海地震と、1946年の昭和南海地震は2年の時間差で発生しています。

南海トラフ巨大地震の被害想定として、よく目にするのはこちらのイメージだと思います。

この被害想定は、南海トラフの想定震源域が一気にずれ動いた場合としていて、このケースは「全割れ」と呼ばれます。全割れのケースで最悪の場合、死者は32万3000人と想定されています。一方で国や専門家がさらに強い警戒を呼びかけているのが「半割れ」です。

上の画像より、赤色で示された東側の震源域と、黄色で示された西側の震源域がそれぞれ別に、時間をあけてずれ動くのが半割れです。簡単にいえば2回大きな地震が発生するということで、1度目で倒壊しなかった建物も、2度目の地震により倒壊してしまうことがあります。2016年の熊本地震では、震度6強や6弱、震度7の地震が相次いで観測され、2度目の大きな揺れで建物の倒壊が相次ぎ、建物被害は全壊が約8300棟にものぼりました。熊本城も大きな被害を受けました。

  内閣府ホームページより 平成28年熊本地震

半割れ 高層ビルでの被害も甚大か

半割れが起き、2度大きな揺れに見舞われると、オフィスビルやタワーマンションなどの超高層ビルに、これまでになかった被害がおよぶ可能性があることがわかっています。被害が深刻だと想定されているのが、東京、大阪、名古屋といった大都市です。

ビルの町並み・オフィス街のイラスト

超高層ビルが半割れの2度の強い揺れに襲われた場合のシミュレーションをしたところ、以下のような結果が出たということです。

大阪にある25階建て、高さ約100メートルの鉄骨造、制震装置のあるオフィスビルの構造を、コンピューター上で再現。大阪・此花区の地盤で想定される揺れを2回、入力しました。

その結果、1回目の揺れではビルの鉄骨の一部が赤色に。変形したことを示します。この鉄骨を修復できないまま2回目の揺れに襲われた場合、下の階を中心に青色に変わった部分がありました。

これは変形した鉄骨が、揺れに耐えられずに破断したことを意味しています。

引用 NHKニュースより 「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定

分析の結果、超高層ビルの倒壊の可能性は低いとしたうえで、南海トラフ巨大地震で大阪を襲う2度の大きな揺れというのは、現在のビル設計の基準では想定されていないものだと指摘しています。ここは安全だというような考えは捨て、大きな地震が起こった時は「2度目がくる」と考え、倒壊してしまうかもしれないと危機感を持ち、できるだけ安全な場所へ避難するようにしましょう。

半割れケース 各地の想定される震度

NHKスペシャルドラマの中で出た、西側が半割れ(マグニチュード8.9)した場合の想定震度分布図イメージがこちらです。

四国、近畿、九州の各地で震度7となっています。この想定されている地震では、これだけで終わらず、東側でも巨大地震のおそれが高まるといいます。上の画像をみると関東のほうでは震度3となっていますが、後に西側と同じ規模の揺れに襲われる可能性があります。半割れの怖さです。

次は東側が半割れした場合の想定震度分布図イメージです。

愛知、静岡、三重で震度7となっていて、関東甲信、近畿でも震度6強や6弱の揺れに襲われ、その後も巨大地震が連発するとなっています。

このような最悪の想定がされていることを知り、避難経路・避難場所を確認する、非常食・飲料水などを最低3日分、できれば1週間分用意するなど、できる備えをしていきましょう。農林水産省のホームページに載っている大人1人分の必要なものの一例は下の通りです。ぜひ参考にされてください。私も早速用意できているか確認しようと思います。

3日分の必須備蓄食料品

農林水産省ホームページより 非常食

参考
復興庁ホームページより 東日本大震災からの復興の状況と取組(令和4年12月版)
NHKニュースより 「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定

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