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日本人の睡眠事情

日本人の睡眠時間は少ないと言われています。2021年のOECD(経済協力開発機構)調査によると、日本は7.3時間(442分)で加盟国30ヶ国中最下位でした。睡眠不足は生活習慣病の発症リスクを高めるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。企業が従業員の睡眠に関して働きかけることは、健康経営の取り組みとしても価値があります!世界の睡眠事情と、睡眠の質を上げるためのお話を簡単にまとめました。

睡眠の大切さ

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」など多くの重要な役割があります。睡眠は長ければいいということではなく、体質や性別、年齢など人それぞれ必要な睡眠時間は違います。睡眠がきちんと取れているかどうかの目安は、「日中しっかり覚醒して過ごせているか」となります。皆さんはどうですか?

日本人は幼い頃から睡眠がいかに大事かを学ぶ機会が少なく、睡眠は大切だという意識が薄いといいます。男女ともに「寝ずに頑張る」ということが正しいと思いがちに。また、日本人は真面目で責任感が強く、きめ細かな思考のタイプの方が多く、ストレスが溜まりやすいとのことです。(睡眠コンサルタント友野なお先生「眠りのおはなし」)今の日本では考え方が見直されていきましたが、昔は寝ないで働く人が評価され、睡眠が軽視されていたこともあったと思います。

知らず知らずのうちに睡眠不足になっている方も多いと思いますが、睡眠時間を確保することは私たちの健康にとって非常に重要なことなのです!睡眠不足だと人間に備わっている「自然免疫」の力を弱めてしまうので風邪をひきやすくなったり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症などの要因にもなり得ることが分かっています。

日本は世界的に見ても睡眠時間が少ないことがわかっており、社会問題と言えると思います。ここで世界の睡眠事情をみてみましょう。

睡眠時間が短い国

韓国 平均睡眠時間7.85時間(471分)
2014年時点で、OECD加盟国の中で最も睡眠時間が少なかったのは韓国でした。韓国は教育熱心で勉強時間が大きく影響しているとされています。また、日本と同様“がんばること”が美徳とされていることから、労働時間が長いと言われています。日本の平均年間労働時間が1,713時間に対して、韓国は1.2倍長い労働時間になっています。

中国 平均睡眠時間9時間(542分)
平均9時間の睡眠時間ときくと多いように感じますが、これは人口が関係しています。中国の人口は約14億人ですが、都市部に住んでいる人は一部で、農村部で暮らしている人のほうが多いので、平均すると9時間になったと思われます。農村部の人と都市部の人とでは生活スタイルに大きな差があり、都市部の人は日本人と似た生活サイクルだと想定されています。

睡眠時間が長い国

フランス 平均睡眠時間8.5時間(513分)
フランスは仕事とプライベートをしっかり分ける文化があり、仕事が終わったらすぐ職場を離れ、家でゆっくり過ごすといいます。また、ヨーロッパでは夕方以降、照明を暗めにして過ごすのだそうです。暗い照明は、蛍光灯の明るい空間に比べて睡眠が妨げられないので、良い睡眠環境のようです。

スペイン 平均睡眠時間8.6時間(513分)
スペインは時間がとにかくゆっくり流れています。「シエスタ」という13時~16時の間に2,3時間とる昼休憩・昼寝の文化があるため、全部ではありませんがお店もその時間帯は閉まるといいます。(シエスタWikipedia)仕事とプライベートは半々で、大切な人と過ごす時間を1日の中にしっかりと組み込まれているそうです。

アメリカ 平均睡眠時間8.8時間(531分)
睡眠時間が長いのはいろいろな人種がいるのが影響していると思われ、都市部と農村部で大きな差がある中国と同じ現象です。ただ、アメリカでは学校などで睡眠を学ぶ機会があるなど睡眠意識が高く、最近ではハイパフォーマンスのビジネスマンほど夜しっかり眠るという考えが起こっているそうです。また、寝酒も少なく、寝られないとカウンセリングを受ける人が多いとのことです。

参考:“よく眠り、よく生きる”西川株式会社

快眠のための生活習慣

快眠のためには「規則正しい生活」「運動」「入浴」など習慣を正すことが大切です。

①規則正しい生活
どんなに健康的に運動をして、バランスの良い食事を心掛けていても、布団に入る時間がバラバラであれば快眠は得られません。体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングを決めるだけでなく、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調整し、睡眠に備えています。これらは自分の意志でコントロールできるものではなく、規則正しい生活が体内時計を整え、睡眠を円滑にしてくれます。毎日規則正しい時間に布団に入り、規則正しい時間に起きることが大切なのです!

②運動
運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。1回の運動だけでは効果は弱く、習慣的に続けることが重要です。効果としては寝つきがよくなる、深い睡眠が得られるなどです。運動ですが、激しいものは逆に睡眠を妨げてしまうので、負担が少なくて長続きする有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)が良いそうです。さらに、運動のタイミングですが、効果的なのは夕方から夜(就寝の3時間ぐらい前)が良いと言われています。睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるので、運動で脳の温度を一過性に上げることで、脳の温度の低下量が運動をしないときに比べて大きくなり、快眠が得られやすくなるという訳です。ただし就寝直前の運動は逆効果になるので注意です。

③入浴
入浴も運動の場合と同じく、就寝前に体温を一時的に上げることが快眠のポイントです。タイミングは夕方あるいは夜で、午前または午後の早い時間の入浴では効果はないそうです。深い睡眠をとるためには就寝直前の入浴が良いとされていますが、寝つきが悪くなってしまう心配もあるので、寝つきを優先するには就寝の2~3時間前の入浴が理想です。半身浴でも寝つきの効果が認められています。

体内時計を整えるためには規則正しい食事も大切です!朝食は脳のエネルギー源なので簡単でもいいので摂りましょう。エネルギー不足で日中の活動が低下すると、夜の睡眠に影響してしまいます。就寝に近い時間の夕食や夜食は、消化活動が睡眠を妨げるので出来るだけ控えましょう。

眠れないからアルコールを飲んで寝る方もいると思いますが、アルコールは寝つきをよくしますが、明け方の睡眠を妨げるので、起きてしまって睡眠時間は短くなってしまいます。就寝前の寝酒はもちろん、コーヒーや緑茶、チョコレートなどのカフェイン摂取も控えましょう。

夜眠れないという方は、「昼寝」がオススメです。昼寝は午後の眠気を解消し活力を与えてくれます。15分程度でも十分なので、休んでみましょう!

日中眠くてしょうがない・・・という方は自身の睡眠意識を変えてみてください^^

参考:厚生労働省e-ヘルスネット快眠と生活習慣

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