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女性の働き方の傾向

共働き世帯と専業主婦世帯の数が逆転したのは1990年代。社会に出て働く女性が増えました。しかし、就業の中身は検討が必要という声が聞かれます。

M字カーブ

女性の働き方についてよく聞かれるのは「M字カーブ」です。出産や育児を機に一度仕事をやめ、再び働き始める、という女性の働き方を表す用語として広く知られています。

男女共同参画局

上のグラフからは、20代に上昇労働力が出産・育児期にあたる30代で落ち込み、再び上がる様子がわかります。その様子がMの字に似ていることからM字カーブと呼ばれています。ですが、近年では働く女性の増加などで、M字の谷の部分が浅くなってきています。M字カーブは徐々に解消されつつあるといいます。

L字カーブ

代わって最近登場したのがL字カーブという言葉です。内閣府の有識者懇談会「選択する未来2.0」が2020年7月に公表した中間報告で問題提起されました。女性の正規雇用率が20代後半に5割を超えてピークに達した後、一貫して下がり続ける様子を指した言葉です。

内閣府「選択する未来2.0中間報告

曲線がアルファベットのLを時計回りに寝かせた形に見えることから、こう呼ばれています。内閣府の担当者は、「保育の受け皿の拡大などでM字は解消されつつあるが、出産後、非正規雇用の選択肢しか事実上残されていないのは問題だ」として、このような状況をわかりやすく伝えるためにL字と名前をつけたといいます。

女性の就業率が上昇したといっても、その中身は「非正規雇用」が中心で、低賃金で不安定な働き方になりやすいのが現状です。

柔軟な働き方か正社員か

このL字カーブですが、極めて特殊な形だと言われています。就業率が増えていて、正規雇用率が年齢とともに下がるというのは、逆に年齢とともに非正規で働く人が増えることを意味します。

他の先進国の女性の非正規雇用労働者の割合は、中年期に低下する男性と同じ形を描くのに、日本の女性の場合は年齢とともに上昇する。これは特殊な形だと専門家の方は話します。

柔軟な働き方がしたくても、正社員だとそれが叶わないという現実が、L字カーブを生み出しています。出産後も働き続ける女性は増えていて、第1子出産後の継続就業率は約53%にまで上昇しました。しかし、半分近い女性が辞めているというのも事実です。離職した女性が再び働こうとしたとき、残業もあるフルタイムの就業は厳しく、結果的に働き口としては非正規雇用が多数を占める状況がうかがえます。

こうした現状を改善するには、①労働時間や勤務場所の選択肢を増やす②正規雇用と非正規雇用の格差をなくし、非正規の待遇を改善するといった政策が必要だといえます。出産の他にも、育児や介護などの家庭責任を担いがちな女性が働き続けることができる社会の実現を目指したいものです。

男女共同参画局
大手小町 働く女性の増加で解消される「M字カーブ」、改善されない男女格差

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